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三幸堂書房

三幸堂書房

店主 畔内 孝

「こんな場末の本屋でも、デジタルにはついていかなあかん。」
そう語る畔内(くろうち)さんは、淡路本町商店街で唯一の書店である三幸堂書房の店主だ。

三幸堂書店 畔内さん

淡路は「自転車にすら乗らなくて良いまち」で、商店街のアーケードに入れば銀行・郵便局・病院が揃う、安心して買い物ができる場所であり、お年寄りが集まるのはむしろ必然だという。

「でも、こんな本屋でも、やれ電子書籍の販売をしろとか、図書券が図書カードになって次は図書ポイントになるかも知れない。デジタル化へ向けたプレッシャーは大きい。」
三幸堂書房ではC-shelfという、店頭販売できる電子書籍を取り扱う予定だ。今も昔もこれからも、本は本屋で買う、しかしその際に、本を買うのか、電子書籍を買うのかが選べるようになるという。

「電子書籍には便利な側面がある。お年寄りだからこそ、その便利さの恩恵を受けるべき。そのための環境を整えられるかどうかは、結局、人と人とのコミュニケーションにかかっている。」

単にデジタル化の波に乗るのではなく、電子書籍を取り扱う時には、お年寄りが使えるようにサポート体制をしっかりと整えた上で、販売をはじめる予定だとの事。

一方で、三幸堂書房では子ども達を対象に児童文学の「読み聞かせ」活動も支援している。今の若者はスマホに時間を取られていて、本はもちろん、漫画やテレビですら見なくなっているという。
「本という“もの”と読み聞かせによる人の“声”というリアルにどれだけ触れられるかが、デジタル化が進む時代だからこそ、必要になっていく。」

時代の先を見据えながら、お年よりや子ども達に寄り添う三幸堂書房の畔内さん。多くの人に求められる、心強いパートナーとなるはずだ。

かねしん茶舗

かねしん茶舗

店主 野網 聡一郎

淡路本町商店街でお茶屋をいとなむ野網聡一郎さん。
大阪の茶審査技術競技大会で優勝、全国茶審査技術競技大会で六段に認定されるなどの優秀な成績をおさめている。そんなお茶のプロフェッショナルである野網さんは、意外にも初め全くお茶に興味がなかったという。

意識が変わり始めたのはオーストラリアや東南アジアでの海外生活。海外で異文化に触れるうちに自分の国の事を何も知らないと痛感した。やがて何か日本の伝統に関わる仕事がしたいと思うようになり、祖父母が経営していたお茶屋を継ぐことになったという。

野網さんの営むお店では、お茶の葉以外にも、お茶に合うおかきなどの菓子類も充実している。実は伝統的なお茶専門店では、お茶以外のものを店に並べるのは敬遠されることもあるらしい。しかし野網さんは、「きっかけがお菓子でも、お茶を楽しむきっかけになれば良いと思うんです」と笑顔で話す。

最後に、商店街として盛り上がるためのアイディアを聞いてみた。

かねしん茶舗 野網さん

「それぞれの店舗が独自の商品を開発し、商店街が一丸となってプロモーションできれば、商店街の個性が出す事ができると思う。」
野網さんのお店では、今後ティーバッグのお茶を充実していきたいと言う。本格的なお茶屋さんがティーバッグ?と思われるかもしれないが、忙しい人や若者もおいしいお茶を知るきっかけなって欲しいという思いがある。様々な大会で入賞するほどの実力を持つ野網さんだからこその説得力がある。

伝統のあるお茶屋として新しいことにも挑戦し自らのスタイルを作り上げる野網さん、ぜひ日本の若者に会いに行って欲しい一人である。

辰巳屋味噌(株)

辰巳屋味噌(株)

3代目店主 工藤 安紀

戦前から淡路本町に店を構える「辰巳屋味噌」。今回お話を伺った工藤安紀さんは3代目店主だ。

定休日は趣味のゴルフに出かける。月に3回ほどと話す工藤さんの横で「え?毎週やん」とツッコミを入れる娘さんを見て、仲の良い親子であることがすぐにわかった。
普段は配達に出ていることも多く、娘さんや娘さんの旦那さんがたまにお手伝いとして店番をする。そんな忙しい工藤さんに淡路本町商店街について伺った。

「昔ながらの地元の商店が少なくなって、チェーンが増えてきている。空き店舗がないのは良いけど、ちょっと寂しいね。」

昔は淡路本町商店街の人たちと旅行や花見をすることも多かったそうだが、最近はそういう機会も無くなってきているという。
「淡路本町の人らにゴルフ誘われたら行くけどなぁ」と笑いながら話す工藤さんは、引っ越した人が取り寄せてしまうほどの味噌をこれからも届け続けていく。

昭和湯

昭和湯

4代目店主 森川 晃夫

阪急淡路駅から徒歩3分。淡路本町商店街から少し外れたところにある銭湯「昭和湯」の4代目店主が森川晃夫さんだ。

昔と違い、今は各家庭にお風呂の設備がある。そんな時代だからこそ、様々なユニークな取り組みを行っている。
その例のひとつが、定期的に開催されている「あひる風呂」。お子様に大人気で、当日の手伝いには地域の若手が集まってくる。
商店街、もう少し広く捉えれば地域、これらに関わる若手が少ないと嘆く声が多い中、なぜ「昭和湯」には若手が集うのか。
取材をしている期間中、淡路の色んなお店の人から聞こえてきた声を集約していくうちにボンヤリと見えてきた。
『森川さんのところはお父さんもお母さんも子供も、一家でホンマに地域に貢献してる。みんなお世話になってるで。』

森川一家は驚くほど顔が広い。その幅は高齢者の方から若手までに及んでいる。
商店街や地域の中で溝が生まれがちな両者だが、昭和湯の森川一家ならスムーズに結びつけることができるのだろう。
昭和湯ではイベントが開催されることも多いので、そういう時に森川一家に会いに行くと新しいつながりも生まれていきそうだ。